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ああ、これ、意図的だな…。 即座にそう思った。 「ごめんなさい…、忠貴。」 再度母親が謝る。 「なんで? パソコンだけこんなにしたの?」 怒る気は無かった。 落ち着いた声で優しく聞いた。 「あ…。 だって、ちょっとつけて見てみたら、おんなじ名前の女の人、いっぱい…。」 グス、グスと鼻をすすりながらそう答えた。 「……。」 メール…、見たのか。 はぁ、と腕を組みながら溜め息を吐いた。 …メール。 ……。 ドクン。 「…っ。」 急に戦慄が走る。 ゾゾゾッと背中を何かが這って突き抜けたような感覚に襲われる。
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