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春子の名前を見て、逆上して突発的に壊した?
それとも、何かを隠すために……?
「…まさか、壊す前にアカウント消したりとかしてないよね?」
「……。」
「したの?」
「……。」
は?
ちょっと待って。
立ちくらみを伴う衝撃に、母親が繰り返し謝っている声が遠く聞こえる。
「……。」
――俺、春子のアドレスこのパソコンでしか分からない。
「…ウソ、…だろ。」
やっと、やっと…会う約束したのに。
司と春子っていう知り合い同士で、自然な流れで会うことができたのに。
場所も日時もまだ何も決めていない…。
「……っ。」
うまく頭が回らない。
右手で髪をかき上げ、頭を押さえる。
メールでのつながりが断たれたら、ただの顔も知らないはずの赤の他人でしかない。
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