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「俺が司だよ、春子。」って、面と向かって言ったら、「なんで私だと分かったんですか」ってなるのは目に見えている。
「……。」
しばらくぼーっとつっ立ったまま、ぐちゃぐちゃになったパソコンを眺めていた。
ギシ。
ベッドにようやく座る。
どれくらい経っただろうか。
気付くと母親は自分の寝る部屋に戻っていた。
母親を責める気にもならない。
怒りよりも、やりきれなさと空しさがじんわりとシミのように広がっていく。
2年以上続けてきた会話、やり取りがこんなにもあっけなく終わってしまった。
しかも会おうって約束をした矢先に。
「…はぁー。」
アドレスを控えてなかった俺が悪い。
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