警鐘‐2

9/13
前へ
/33ページ
次へ
ヴー、ヴー、ヴー…。 振動が続く携帯のディスプレイを見ると、『母親』の文字。 「……。」 携帯を取り、ベッドの上に置いて振動音が響かないようにした。 出ようとは思っている。 出ようとは思っているんだけど、逃げている自分がいる。 「はぁー。」 大の字になってベッドに倒れ込む。 振動が途切れた。 顔を傾け、隣に置いた携帯に目をやる。 今はそれどころじゃない。 春子のことで頭がいっぱいだ。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2641人が本棚に入れています
本棚に追加