2592人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
春子までいなくなったら、俺、もう無理だ。
生きていけない。
「……。」
救急車…。
いや、近くに夜間もやってる病院がある。
ここからなら、車で運んだ方が速い。
春子を後部座席に寝かせて、近くにある河原病院へと車を走らせた。
ハンドルを握ると右腕に激痛が走る。
さっき急ブレーキをかけたせいでハンドルに激しく打ちつけたからだ。
病院までの道のり。
その間のことはあまり覚えていない。
眩暈と腕の痛さ。
それ以上の自責の念と、また人を失うのかという絶望が、俺の意識を朦朧とさせた。
最初のコメントを投稿しよう!