2858人が本棚に入れています
本棚に追加
「……。」
春子の透き通るように白い頬、いつもならほんのり桜色のはずの白い頬を手の甲で優しく撫でる。
俺はずるい。
意識が無いのをいいことに、触れられないはずの春子にためらいもなく触れている。
「春子……。」
ふ、と少しだけ笑った。
――春子に謝ったら、俺はもう二度と春子の前には現れないよ。
もう、やめる。
本気で諦める。
忘れることにするよ。
だから……。
意識が戻るまで。
それまでは許して。
春子のそばにいさせて……。
最初のコメントを投稿しよう!