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昼。
部屋を開ける音で目が覚めた。
春子の手を握ったまま、ベッドに突っ伏して眠ってしまっていた。
「司君。
今から検査だし、優羽を着替えさせないといけないから、あなたも一旦家に戻って。」
「……。」
春子の母親が優しい顔でそう言うのを聞いて頭がはっきりし、慌てて春子の手を離し、立ち上がった。
俺の涙の跡に気付いたのか、
「また戻ってきてくれると助かるわ。」
と付け足した。
目覚めた時にはすぐに連絡するからと言われ、電話番号を互いに交換してから病室を後にした。
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