病院

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ヴー、ヴー、ヴー……。 ポケットに入れた携帯を取り出すと、大倉からの着信だった。 おそらく腕の怪我を心配してかけてきたんだろう。 白川さんも、昨夜あの後どうなったのか心配してるだろうな。 ピ。 電源を切った。 病院だということもあるが、なんだか今は説明をする気分にはなれなかった。 むしろ、今のこの2人だけの空間と時間が惜しくて、少しでも邪魔されたくなかった。 春子の眠る顔に目を映す。 そしてまた手を握る。 「……あったけー。」 指と指を絡ませる。 体温はこんなに温かいのに目だけ覚めない春子を、ずっと、ずっと見つめていた。
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