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――目が覚めた。
春子の意識が戻った。
……よかった。
ホントによかった。
このままそばに駆けつけて抱き締めたい。
いや、駄目だ。
俺にそんな資格は無いし、春子にまた恐怖を与え、思い出させてしまうかもしれない。
春子は天井や周りを見渡し、何か不可解そうな顔をしている。
俺は頭の中をぐるぐる廻っている雑念を振り払い、とりあえず音を立てずに小さく深呼吸をした。
「目が覚めた?」
俺の声に、春子はあからさまにビクッとした。
ああ、やっぱり。
予想通りの反応だ。
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