一週間(Ⅰ)

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「ああ、司君。 早く部屋に来てくれないか。」 トイレを出て、病室とは反対方向へ足を進めようとすると、春子の父親がニコニコした顔で反対側から声をかけてきた。 「……。」 ああ、どんな顔で春子と接すればいいんだ? 俺は今、ぐちゃぐちゃだ。 あの可愛くて潤んだ目が、俺に対して他人を見るような色になるのを見たくない。 「司君。」 再度、名前を呼ばれる。 俺は重い心を抱えたまま、病室へ向かった。   
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