一週間(Ⅰ)

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目覚めたばかりの春子は少し疲れたらしくて、再び眠ると言った。 気を遣わせないように外に出て、病院の敷地内にあるベンチで時間を潰した。 「ふーー。」 両腕をベンチにかけて、よく晴れた空を見上げる。 雀が2、3羽さえずりながら視界の遠くで横切っていった。 「ゆ…う…。」 コホ、と軽く咳払いをして、名前を呼ぶ練習をした。 先ほど少し話をして、春子のことを『優羽』と呼んだが、ものすごく違和感があった。 もっと自然に呼べるようにならないと。 「優羽……。」 ……やっぱ呼びづらいな。 咄嗟に『春子』って呼んでしまいそうになる。 今度は前のめりになって、頭を抱えながら、 「優羽。」 って呼んでみた。 「……恥ず…。」 なんかバカみたいだ。
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