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春子は俺の腕の中で埋もれているため、声もこもってるし、頷く頭もぐしゃぐしゃだ。
「はは。」
上からその様子を見て思わず笑ってしまった。
ちょっと苦しそうだけど、可愛いからもっときつく抱きしめた。
春子の温度をこんなに直で感じることができるなんて。
大きな声で喜びを叫びたくなる。
「は……。」
でも、すぐに胸が痛くなった。
なんで、この子は記憶を失くした春子なんだろう。
なんで、春子が好きになったのはウソをついている俺なんだろう。
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