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「優羽?」
春子の頭上に顎をのせながら話す。
「優羽は自分の記憶が戻っても、今の気持ちのままだと思う?」
顎の下の春子の頭が少し傾く。
「ん~、そのままだよ、多分。」
春子は、なんてことないように簡単に答えた。
その言葉が俺にどれだけ刻まれたかなんて、これっぽっちも思わないんだろうな。
「ぷは。」
腕を緩めると、埋まっていた春子がひょこっと顔を上げた。
驚いたような、笑ってるような、口半開きの抜けた顔に、クルクルした目。
おでこをコツッと当てて、ふっと笑う。
「約束ね。」
そう言って俺は小さなキスをした。
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