一週間(Ⅱ)

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……。 案の定春子は食いついた。 春子が気になっているのは、事故のこと、俺とのこと。 最近よく見る思案する顔は、それが気になって仕方ない顔だ。 小さなほころびがあちらこちらに出てきて、まるで俺達の離別の後押しをしているような気さえしてくる。 「……。」 まぁ、でも、遅かれ早かれ、っていうのはこういうことなんだろうな。 医者との話が終わりそうだったので、俺は立ちあがり、タバコは吸わずに先に病室へ向かった。
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