一週間(Ⅱ)

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「ん……。」 一瞬、起きたかと思って、バッと飛び退いた。 「つ……かさ、さ……。」 むにゃむにゃ言いながら、寝返りを打つ春子。 「……っ。」 後頭部を壁に擦りながら、片手で口を覆う。 鏡を見なくても分かる。 今の俺は、いつも赤面している春子よりも真っ赤だ。 どんな29だよ……。 「はーー。」 ソファへ戻り、前かがみにうなだれる。 チュンチュンと、雀の鳴く声。 なんだか自分の情けない姿が浮き彫りにされているみたいだ。 今日で春子が目覚めて4日目。 春子の前から消える覚悟はできているのに、それに反比例する衝動。
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