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「ん……。」
明け方、何やら息苦しそうな声が聞こえて目が覚めた。
まだ薄暗い。
寝起きの頭で、まだぼんやりする。
「う……。」
春子?
うなされてる?
「いやっ!!!」
急に大きな声を出した春子は、ガバッと起き上がった。
「優羽?大丈夫?
怖い夢でも見た?」
驚いて、春子の方を向く。
春子は座る背筋をピンと伸ばし、前を見たまま動かず、上がる息を整えている。
尋常じゃない汗。
「すごいイヤな夢……、見てた。」
あ……。
……例の夢。
春子を苦しめている根源の夢だ。
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