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「いや、そんなんじゃなくて……、ただ……。」
「?」
春子は、首を傾ける。
聞く?
聞いてもいいのかな。
「正直、今、俺のこと……。」
ふ。
途中まで言って、あまりの女々しさに、鼻で笑ってしまう。
何言うんだ、俺は。
「多分、好きになってる……みたいです。」
……。
今日初めてばっちり目が合った。
緊張や照れを押し殺して、まるで挑んでくるような強い目。
紅潮し出す頬と耳。
みたい、だなんて、なんて不確か。
でも、春子の目が、空気が、確かだった。
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