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「ったっ……。」
ふいに涼の両肩を掴み、体から離した。
涼が真っ直ぐな目で俺を見る。
「いいってば、他の子の代わりにしても。」
「……。」
違う。
今、俺自身、他の女を受け付けない。
気持ち悪いとすら感じてしまう。
「……無理だ。やっぱ……。」
「都合のいい女でいいからっ！」
体を半分起こして、俺の腕を強く握る。
涼の目から涙がこぼれた。
「……っ、いいからっ……。」
「……ごめん。」
涼の額にかかる乱れた前髪を直してやる。
そのまま、頭を撫でた。
「きよっ……か……。」
いつもクールな涼が、初めて顔をくしゃくしゃにして子供みたいに泣く。
俺の胸に力無く拳を打ちつける。
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