水面下の糸

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「……、昼に大倉に誘われたかと思うと、今度は白川さんて。 ……なんかモメてるの?」 「そ、そうなんです。 大倉さんのことで相談があって。」 「俺、そんなに暇じゃないんだけど。 今日だって残業確実だし。」 「遅くなっても構わないです。 待ってますので。 それじゃ。」 「ちょっ……。 マジで遅く……。」 司さんの声を背中で聞いて、タタタタッと言い逃げした。 ごめんなさい。司さん。 嘘つきました。 私行きません。 今現在どういう状況なのか分からないけど、多分司さんがPUZZLEに行ったら、いろいろこんがらがってる糸がほどけるような気がするから……。 振り返ってちらりと司さんを見た。 頭を掻きながら自分のデスクへ戻る後ろ姿が見えた。  
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