終章

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「……」 目が覚めた。 最初に目に入ったのは、眠る春子のドアップのまつ毛。 あれ……? 「……」 チュンチュンと鳥の鳴く声。 閉めたグレーの遮光カーテンの隙間からのぞく朝の光。 再度春子を見る。 赤ん坊みたいに無垢な顔。 俺の左の腕枕で小さく寝息を立てている。 あ……、ゆうべ……。 昨夜のことを思い出し、小さく息を吐き、頭を押さえた。 頭を押さえる右手中指に軽い痛みを感じる。 初めての春子が力を抜けるようにと口に入れた指先。
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