終章

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久しぶりに夢を見た。 春子が手を伸ばしてくれる夢。 俺も下から手を伸ばし、あともう少しで触れられる距離。 「大丈夫だよ」 いつものセリフ。 何故か自分が春子に言う。 春子は笑った。 今までで一番綺麗に笑った。 手を掴んだ。 春子は下を覗き込みながら足を掛けたかと思うと、ふわっと舞うように俺の腕に降りてきた。 俺が登ろうとしていたはずなのに、春子の方から飛び込んできた。 見渡すと、そこはジメジメした暗い場所ではなく、白くて明るい一面の光の海。 腕の中の春子が俺を見上げて笑った。 それを見て俺も破顔する。 ……もう、ホント、愛しくて半端無い。  
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