終章

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12畳ほどのフローリングの寝室。 あまり物が無いその部屋の隅のダブルベッド。 いつもと同じ光景だけど、このライトグレーの布団の中にものすごい宝物を隠してる気分。 プニプニした春子のほっぺたを撫でる。 「……春子」 結局まだ「優羽」は言い慣れない。 昨夜はちゃんと本名で呼びたかったから頑張ってみたけど。 「ヘクチッ」 勢いよくくしゃみをして、春子は目を覚ました。 「……おはよ」 額と額をくっつけて、超至近距離で声をかける。 ――あ、固まってる。 「わあ! つ、司さん――。 あ、あれ?」 一瞬、また固まる。
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