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「優羽、起きた?」
私のことをやっと『優羽』って呼ぶことに慣れた司さんが、微笑みながら覗き込む。
僅かに開いた窓からは、暖かい風が心地よく入ってくる。
「うん、夢見てた……」
「ふ、まだ眠そうだね」
頭を撫でる司さんの大きな手。
日曜の朝の二度寝のいざないが、優しく私を襲う。
「う……ん……」
あの頃の私に伝えてあげたい。
『おーい、大丈夫だよー』
って。
「ふ、寝ながら笑うなんて大した芸当だな」
司さんの声が遠くで聞こえた。
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