〈番外編〉大倉×白川‐2

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「大倉、世渡り上手だし、人間関係も外ではめっちゃ器用だけど」 焼酎のグラスに入った氷を指でクルクル回す司さん。 「こんなに不器用で笑えたの初めて。 白川さんが努力賞だったら、大倉はユーモア賞だな」 くっくっと、自分で言って笑っている。 珍しい。 笑い上戸の司さん。 「でも……、結局私も大倉さんと一緒で、自己中でガキで独占欲強いって自覚させられました」 「……ふーん」 椅子にもたれ、腕組みしながら司さんは聞いている。 「人好きになったら嫌でもそうなっちゃいますよね。 表に出すかどうかは別として」 「……何?」 「ね」 「……さぁ?」 司さんはゆっくり目を伏せて、グラスを口に運んだ。 「むにゃむにゃ……、沙耶ちゃ……」 2人同時に大倉さんを見る。 お互いふっと笑った。         ―END―
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