〈番外編〉瑞希×東條

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優羽の熱は上がっていたので、午前中の内に早退させた。 ここ最近頑固だった優羽だけれど、今日ばかりは簡単に折れた。 司さんに会えて、そしてつき合えることになって有頂天なんだろう。 「ありがとう、瑞希。 心配かけてホントごめんね」 帰り際、優羽は赤い鼻をこすりながら、笑顔でそう言った。 優羽は昨日の昼の出来事を知らない。 今までの一連の流れに対しての感謝と謝罪だ。 もしかしたら、単純に風邪を引いたことに対してで、あまり深い意味は無かったのかもしれない。 それでも私はそれを聞いて、なんだか姉役を降りたような、少し寂しい気持ちになった。 「ほら、お母さん車のとこで待ってるよ。 早く行かなきゃ。 風邪も完治して落ち着いたら司さんに会わせてね。 いろいろ言いたいことあるから」 優羽は肩をすぼめてフフッと笑い、小走りで迎えに来た母親の方へ駆けていった。
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