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「瑞希っ!
ゴホ、私っ、司さんと、あ、おはよう言ってなかった、おはようっ!
でね、私、彼女になっ、コンッ、コン、つか」
次の日の朝。
優羽が出社するや否や、私に向かってまくし立てるようにしゃべりかけてきた。
「ちょっと優羽、落ち着きなさい。
何?
もしかして会えたわけ?」
「うん!
うんっ!
で、で、司さ、ゴホッ、の、ホントの恋人にっ、ケホッ」
「優羽、風邪酷くなってない?」
咳込みながらも目をキラキラさせて、まるで宝くじにでも当たったように興奮している優羽。
会えたんだ。
……やっと。
やっと司さんに会えたんだ。
昨日のあの女の子が伝えてくれたのだろうか。
経緯は分からないけれど、会えたというのは優羽の様子からいって事実みたいだ。
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