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「今日も行くの?
PUZZLEに」
「……うん」
退院してから優羽は変わった。
もう会えるかどうか分からない男の影を追って、毎日毎日、かれこれ2ヶ月PUZZLE通い、バス通い。
可愛い優羽。
私の後ろを追っかけて、妹みたいに慕ってくれる優羽。
男が怖くて、ちょっとでも近寄られるとビクビクしていた優羽が、切ない顔をしながら、でも目にはしっかりと熱を灯して会社を出る。
その後ろ姿はちっちゃいけれど、何故かすごく大人びて見える。
「なぁ、優羽ちゃんの好きなやつってどんな男?
佐山知ってるんだろ?」
こいつはいつもぬっと出てくる。
「仕事終わったの?
東條」
「や、たまたま通りがかっただけ」
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