〈番外編〉瑞希×東條

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公園から会社のビルに戻る間、お互い何も話さなかった。 どういうつもりだろ、東條。 本気? 私は驚きながらも、意外と冷静だった。 後で、やっぱり冗談、てオチを聞かされる心の準備が既に出来上がっていたからだ。 もしくは、真面目な顔で、ごめんさっきのは無しで、って。 はは、東條らしい。 恋が成就して特別嬉しいはずなのに、それを取り消される覚悟をする私……。 はは……、それも私らしい。 「とりあえず……、どっか行く? 次の休み」 ビルに着き、エレベーターの中でふいに東條が聞いてきた。 わ。 デートってやつ? とりあえず、って言葉がさっきから耳に障るけど。
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