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「……」
覚えていてくださって光栄だこと。
「忘れて。
思い違いだったみたい」
目を逸らし、握られた腕を勢いよく振り払う。
「……」
東條は溜め息と同時に、ゆっくり胸の前で腕を組んだ。
「……おまえ、可愛げ無さ過ぎ。
男に愛想つかされるの分かるわ」
呆れた顔、ものすごく冷たい口調。
「お褒めにあずかり、ありがとうございます」
我ながら可愛げゼロ。
いや、むしろマイナス100くらい。
「お前が……、佐山が2年前、亜紀と今後連絡取ったら随時報告しろって言ったんだろ」
「……」
――え?
「会わないって返事したけど、やっぱ行くわ。
お前の忠告はいつも正しいからな」
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