〈番外編〉瑞希×東條‐2

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振り向いたときには東條は既に出口と反対方向のエレベーターに向かって歩いていた。 「……あ」 何も言えなかった。 追いかけて、やっぱり嘘だと、本当に好きなのだと、弁解することもできなかった。 私の中の小さなプライドと、可愛げの無さと、素直になれない性分が、私の足と口を固めてしまった。 「……」 そのままくるりと元の方向を向き、フラフラと出口を出た。 涙が出てきた。 自分のバカさ加減に。 優羽を見習って、やっと素直になると決心したばかりなのに、 どうして私はこう……意地を張っちゃうんだろう。 恋愛に勝ち負けなんか必要ないのに、どうしても負けたくない。 傷つきたくない。 だから、そうなる前に事前にバリアを張ってしまう。
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