〈番外編〉瑞希×東條‐2

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今までの恋愛をあまり人に話さないのは、話せるほどの内容の恋愛をしてこなかったから。 全部相手から言われてつきあったが、結局半年もしないうちに破局。 全部相手から。 理由は、『可愛げがない』『素直じゃない』『本当に俺のことが好きなのか分からない』、そして『お前は俺がいなくても平気だろ』。 先日、東條に言い当てられたセリフと相違ない。 今回、初めて自分から好きになった人に、自分から告白した。 今までの自分を改めるために。 でも、結局今までの自分に首を絞められて、ゲームオーバー。 ――自分が大嫌いだ。 今日ほど、そう思ったことはない。 でもそんな大嫌いな自分を変えられない自分。 「ふっ……、うぅ……」 車に向かいながら、目を何回もこすった。 手の甲に取れたマスカラが付く。 ……自業自得。 夕方まで有頂天だった自分を思い返し、恥ずかしさと情けなさで、車の中でしばらくうずくまって泣いた。
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