〈番外編〉瑞希×東條‐2

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タン、タンとまたお母さんが階段を登ってくる足音が聞こえる。 ああ、もう起きてるんだからほっといてよ。 ガチャ。 ドアを開ける音にすかさず、 「昼御飯なら後で食べるから、ラップしといて」 と、布団をかぶったまま言葉を投げた。 「あ?」 ……。 え? 「いい御身分だな、おまえ」 女の声とは似ても似つかない、聞いたことのある、いや、ものすごく聞き慣れている低い声。 布団の中で硬直する。 「おい」 「……」 何故? 何故に? 今世界で一番会いたくない人が、私のプライベートテリトリーに侵入しているの?
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