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タン、タンとまたお母さんが階段を登ってくる足音が聞こえる。
ああ、もう起きてるんだからほっといてよ。
ガチャ。
ドアを開ける音にすかさず、
「昼御飯なら後で食べるから、ラップしといて」
と、布団をかぶったまま言葉を投げた。
「あ?」
……。
え?
「いい御身分だな、おまえ」
女の声とは似ても似つかない、聞いたことのある、いや、ものすごく聞き慣れている低い声。
布団の中で硬直する。
「おい」
「……」
何故?
何故に?
今世界で一番会いたくない人が、私のプライベートテリトリーに侵入しているの?
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