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「インターホン押した?」
「お母さん、ちょうど玄関開けたまま掃除してた」
はぁ~、と脱力の溜め息。
「って質問終わってないし!
何でここ来るの?
元カノの亜紀ちゃんは?
あと、海って何よ?
そんなの知らないし」
東條は口を半開きにしたまま固まった。
「はあああ?」
もともとくっきりしている目をもっと大きくして、東條は眉間に思いっきりしわを寄せた。
「な、……何よ」
凄みながら一歩こちらに近づいた東條に、一瞬ひるむ。
「お前、もしかして覚えてないの?」
「……」
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