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「あ!司ちゃーん」
「……」
今入ってきたばかりの男が、店の入口でこちらに向かってブンブン手を振る。
店中に通る声。
できれば他人のふりをしたい。
「司さん、……あの人?
後から来るお友達って」
優羽が横でスーツの裾をチョンチョンと引っ張った。
「……」
大倉はニコニコしながら大股でこちらへ向かってきた。
「どーも!
大倉です」
「すみません、司さん。
大倉さんが終わるの待ってたら遅くなっちゃって」
横から白川さんがちょんと顔を出す。
「あ!!」
声の大小高低は別として、大倉、白川さん、瑞希がお互いを見合わせて同時に声を上げた。
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