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「え?
あ……。
……確かに、落ち着かないや」
「ははっ」
司さんが珍しく声を出し顔を背けて笑った。
「はー……。
この人、ちゃんと笑えるのね」
瑞希はその様子を感心して見ている。
「……」
私はただただ赤くなってミルクティーをストローですすった。
俯いたせいで落ちてきた後ろ髪が、パスタの皿に付きそうになる。
「優羽、付く」
司さんがその髪をすっと私の耳にかけてくれた。
「ぅあっ」
ふいに耳を掠めた司さんの指に、心拍数が跳ね、またもや真っ赤になる。
「あ、りがとう……ございます」
ごにょごにょと、消え入りそうな声でお礼を言った。
ああ、やっぱりさっきの『落ち着く』は撤回で……。
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