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司さんが中指の腹だけで、私の顔の輪郭をなぞる。
またきた。
ゾワゾワ。
ゾクゾク。
「が、頑張ります」
思わず、裏返った声で答えてしまった。
「ぶっ。
ハハッ」
試すような艶っぽい顔で覗き込んでいた司さんの顔が、一瞬でくしゃくしゃになる。
今日は司さんの笑顔を何回も見れてラッキーだ。
「優羽さ、まだ男の人怖い?」
「……司さん以外はまだ、ちょっと……」
司さんが微笑む。
口に入った髪の毛をすくって耳に掛けてくれる。
「そのままでいいよ」
「え?」
「克服なんてしなくていいからね」
そう言うと、司さんはゆっくり降りてきて優しくキスをした。
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