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髪はさらさらの金髪で長さはセミロング。
少し大きめな眼に宿る輝きは強い生命力を感じさせる。
顎の線がすっきりとした色白の美女だ。
彼女の名はリリア・スーン。高貴な貴族の娘だ。
町人の俺とは、本来なら知り合える間柄ではないのだが、父親同士の仲が良く、幼い時から頻繁に家へ遊びに来ていた。
親父は二十年前にずっと東にある島国から追われ、この国に落ち延びた。だから、俺の半分は東洋人の血が流れている。
「アキト・ラン、 遅い」
あ、あ~、そうだ。忘れていた。
リリアの兄であるロンと城下の外れで行われる機兵の賭け試合へ行く約束をしていた。待ち合わせ場所は中央広場だ。
「すまん。ロンは?」
「兄様はあそこで待っているよ」
リリアが右方向を指す。
俺はリリアの肩越しに通りを覗いた。一台の白い機兵が見える。兜の額にスーン家の紋章である三日月が付いている。
腹部の扉が開いて、コクピットで茶髪の男が笑顔で軽く手を上げた。ロンだ。兄弟揃って異性に人気がる。
「ところで、リリアも行くのか?」
「当たり前でしょ。だから、この様に目立たない格好で来てるの」
「おじさんは知っているのか?」
「う、う~ん。父様に
親父は二十年前にずっと東にある島国から追われ、この国に落ち延びた。だから、俺の半分は東洋人の血が流れている。
「アキト・ラン、 遅い」
あ、あ~、そうだ。忘れていた。
リリアの兄であるロンと城下の外れで行われる機兵の賭け試合へ行く約束をしていた。待ち合わせ場所は中央広場だ。
「すまん。ロンは?」
「兄様はあそこで待っているよ」
リリアが右方向を指す。
俺はリリアの肩越しに通りを覗いた。一台の白い機兵が見える。兜の額にスーン家の紋章である三日月が付いている。
腹部の扉が開いて、コクピットで茶髪の男が笑顔で軽く手を上げた。ロンだ。兄弟揃って異性に人気がる。
「ところで、リリアも行くのか?」
「当たり前でしょ。だから、この様に目立たない格好で来てるの」
「おじさんは知っているのか?」
「う、う~ん。父様には言ってない。言ったら、家から出して貰えないと思うよ」
「そんなに無茶してまで機兵に興味あったか?」
「無いよ。ただ、兄様とアキトの二人だけでは心配なだけ。もう遅れるよ。早く行こう」
「仕方ないな」
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