好奇心とピンチ

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 読み進めながら、やばい……と思って本を閉じた。  ダメだ。これ以上は、泣いてしまう。  口唇を噛み締めながら、書店のカバーを外して表紙を見てみる。  買うと決めて書店の本棚から引き抜き、そのままレジに持っていった為、あたしは表紙をまともに見ていなかった。  つやっとした表紙カバーには、割れたガラス越しの青い空、白い雲。ガラスには血が飛び散っている。  なるほど……と思って、あたしはもう一度書店のカバーを付け直した。  まだ半分も読めていないから、表紙のイラストが何の暗喩かは判らないけれど、映画化されたものはこれだ。  DVDが発売されたら、どういう映像になるのか見てみたいかも知れない。  早く続きが読みたくて、家に帰り着くまでがもどかしかった。 .
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