秘密の色

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 受け入れると決めたくせに、まだがちがちに固いあたしの身体をそっと抱きすくめ、軽く何度も繰り返して──やがて、「口、開けて」と低く囁いた虹原岳の声は、そのまま身体の真ん中を突き抜けるようにして落ちていった。  こわごわ言う通りにすると、様子を窺うようにしながら舌を挿し込まれる。  やわらかくてあったかいその感触に力が抜けて、思わずそばの電柱にもたれてしまった。  ちょいちょい……とうなじを指先で突つかれ目を開けると、虹原岳は熱のこもった瞳を向けてくる。 「さっき、あの男に言ったの、シャレにならなくなりそうなんだけど」 「え……?」  引っ張り出すようにあたしの舌をちゅっと吸い上げて、虹原岳は撫でるような声で続けた。 「早くどっか入って休ませたいから、って言っただろ?」 「ん、んん……」  話す合間に口の中を彼の舌にかき回されて、うまく話せない。  どうしてこの人、キスしながら喋れるんだろう……。  そんなことを思った。 .
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