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「華緒梨、早く言わないとどんどん進めちまうからさ……」
慈悲深いふりをして、虹原さんはあたしに抱きついたまま、その場に膝を着く。
腰から膝の裏まで、広い範囲を撫でられながら、お腹に虹原さんの口唇が這い回った。
「ちょっと……あっ」
そんなところを執拗に撫で回されるなんて初めてで、こんなにいちいちビクッとしてしまうとは思わず、話す余裕なんてない。
するとそれは虹原さんも同じだったようで、彼はあたしのお腹の辺りで低く笑った。
「感度、よすぎない。酔ってるから?」
「判んないよ、そんなの……」
「それとも……」
虹原さんはあたしの膝裏を抱きしめたまま、足から器用にパンプスを奪い去る。
そうして立ち上がり、あたしの両手を取った。
「華緒梨」
「……は、い」
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