垣間見るもの。

2/32
408人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
 さわさわ……と、爽やかな風が吹き抜けていく。  ここのところ湿気がすごかったから、びっくりする程気持ちがいい。  真夏の爽やかな風っていうのは一瞬のことだから、季節を味わわなくては損だ、とばかりに深呼吸をした。  すると、正面に待ち人がやってきて、すとん……と腰を下ろす。  せー兄ちゃんだ。  たまには昼メシ一緒に食おう……なんてそれらしい誘いを受けて、お父さんの今の奥さんがオーナーを勤めているレストランでランチをすることになった。  題材は、判ってる。ここのところのあたしの外泊についてだろう。  正直なところ、せー兄ちゃんに突っ込まれたら恥ずかしいことしかしていない。 .
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!