343人が本棚に入れています
本棚に追加
少なくとも、せー兄ちゃんには相手について説明する必要はない。
お母さんは……ちょっとびっくりさせてしまうかも知れないけど、まあ母娘なわけだし、いくらでも話はできる。
そんなふうに考えていると、目の前の岳さんの眉がまたじりりと寄せられた。
「……華緒梨」
「え?」
「お前、軽く考えてねえ?」
「え……そんなことない、けど」
明らかに怒っている様子の岳さんはテーブル前のめりになり、じりっと焦げそうな目であたしを下から睨んだ。
「いや、考えてる。お前、絶対軽く考えてる」
「なんで!?」
「母親あたりにさらっと説明しとけばいいだろ、とか考えてんだろ」
「……え、そうだけど」
「お前、それで済ませるのか? 週刊誌に写真撮られたんだぞ、俺と。それなのに、さらっと説明するだけか?」
.
最初のコメントを投稿しよう!