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「銀二がずっと小説を扱う部署にいるとは限らない。俺だって、気の合わない担当に頭下げてまで付き合えない。それができるなら、我慢してリーマンやってるよ」
ゴン、と。
頭の上に岩が落ちてきたんじゃないかと思う程、衝撃を受けた。
「ま、銀二も動く気はないって言ってるから、何年かは付き合ってくれるだろうけど。淳成社以外とも仕事ができるような書き手に早くなっちまえ、ってすんごいハッパかけられてるとこ」
「……そうなんだ……」
「ま、雑誌の取材とか単発のコラムとかちょいちょい来るようにはなってきたから、これからなんだけど。こんな不安定なので申し訳ねーな、っていう」
岳さんは煙草に火を点けながら、苦笑した。
……知らなかった。学生と社会人って、こんなに考えてること、違うんだ……。
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