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「やばい」
夏の暑さも最高潮、岳さんとのお付き合いも順調……という、逢魔が時。
ピローン……と通知音を鳴らした携帯を見て、岳さんがじわりと眉間の間に深い皺を作っていた。
「? 何が?」
あたしには関係のない、仕事関係のことなのだろうけど、一応訊いてみた。すると岳さんは携帯を握ったままチラッとあたしの顔を上目遣いで見てくる。
「……?」
岳さんはテーブルの上に両肘をつき、無造作に伸びた前髪をがばっと後ろまでかき上げた。
めったに見ることのない岳さんの額。かなり大人っぽくなってしまうことに今さら気付いて、ドキンとしてしまう。
前髪を後ろに流し、岳さんは眉根を寄せたまま少し口唇を開いた。
何か言いかけて、そのまま考え込んでしまっていることくらい判るけど、苦悶の表情にも見えてちょっと色っぽい。
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