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……苦悶の表情が色っぽいって。あたし、変態だったんだろうか。
新しい扉を開きそうになってしまっていることにふと我に返り、あたしはとりあえず何か言いかけたままの岳さんの言葉を待った。
するとややあって、彼はボソリと口にする。
「……週刊誌に撮られた……」
「え?」
何のことか判らなくて、首を傾げる。
岳さんはもう一度あたしをチラッと見ると、深く溜め息をついた。
「今、銀二からメールあった。何でか知らんけど、青優社の写真週刊誌に……」
「え? え? 何を、撮られたの?」
キョトンとしていると、岳さんは観念したかのように睫毛を伏せ、握った携帯をそっとあたしに差し出してくる。
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