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「……見ていいの?」
「ん」
言葉少なな岳さんの様子で、深刻なことなんだろうか……と息を呑む。
受け取った携帯は既にディスプレイが真っ暗になっていたから、差し出されたとはいえ一応「見るよ」と言ってからホームボタンを押した。
バックライトがパッと明るくなる。液晶に映し出された画像を見て、あたしはえっと声を上げた。
夜の街を歩く岳さんと、これは……。
「え、待って、どうしてあたしが!?」
頬杖をついて両目を閉じていた岳さんは、ばつの悪そうな表情で片目を開きあたしを見た。
「……これ、この間オールした時だろ」
「え、あ、うん……」
言われてみれば、確かに。
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