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変な空気になっていくことにオロオロしていると、宮下先輩は囃し立てる面々をじろっと一瞥し、「うるさいっ!」とふざけた様子で一蹴した。
すると、周りはわざとらしくあたし達から視線を外し、クスクスと含み笑いを漏らす。
……い、居心地、悪……っ!
呆気に取られていると、とりあえず……と宮下先輩はあたしの隣に腰を下ろした。
「何か、俺の言ったことが変に取られたみたいで、悪いな」
「え? あ、いえ……」
そもそも、「会いたがってた」って言葉の意味が広すぎる。
お姉さん達はどうしてもそっちに持って行きたいんだろうけど、宮下先輩の戸惑い方はそういう感じじゃない。
「その様子じゃ、里中さんから何も聞かされてねんだろ?」
宮下先輩はウェイターさんが持ってきた水に早速口をつけ、適当に注文してからあたしを見た。
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