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カチャカチャと、グラスや食器の鳴る音がする。
星林出身のいつものお姉さん達に誘われて、いわゆる女子会ってやつ……。
──と思って来たのに。
じゃあどうしてテーブルの向かいにも、星林出身のいつもの男子メンバーが並んでいるんだろう。
あたしは誰にも不平を漏らすことができずに、俯いて口を尖らせた。
岳さんは今日は缶詰でお仕事だ、って言うし、ちょっと気晴らしのつもりで来たのに、これじゃまるで合コンだ……。
さっきから溜め息ばかりがこぼれて、食事がちっとも喉を通らない。空調がしっかり効いているせいか、大好きな明太子のパスタはもう冷たくなりかけていた。
軽い喧騒の中、こっそりともうひとつ溜め息をつこうとした瞬間。
「おお! 宮下ー!」
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