326人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
すると、宮下先輩は複雑そうな笑みを浮かべる。
「や……本人の前でそんなの言わなくても……それに、お前らが思ってるような意味じゃねえっつうの!」
言いながらも、宮下先輩は満更でもない感じであたしの近くまで来た。
「久しぶり」
「……お久しぶり、です」
久しぶりすぎて、そしてお姉さんが微妙な空気を作ってくれたおかげで、何だか間が持たない。
氷が溶けて薄くなっているジンジャーエールをストローで吸い上げつつ、あたしはぺこりと宮下先輩に会釈した。
「ま、ま、とりあえず話してたら? あたし、あっち行くね」
「え、あの、ちょっと……」
おもむろに立ち上がるお姉さんにぎょっとしていると、周りから囃し立てられる。
「何だよ、宮下ってそうだったの?」
「全然判んなかったー!」
.
最初のコメントを投稿しよう!