326人が本棚に入れています
本棚に追加
「出禁っても、凰坂がいる時の集まりには……ってのだけど」
「あたしの!?」
ますます意味が判らなくて、眉根を寄せる。
宮下先輩は「ホントに、今だから言えるんだけど」と低い声であたしにだけ聞こえるような声で話し始めた。
「どこから話したらいいのかな。お前の元カレをディスるところからなんだけど……」
「元カレ、って」
「立花だよ。アイツが発端で最低、って話」
言われて、この間見た立花先輩の姿を思い出した。
新しい女性と付き合うから、あたしとは別れる──そう言った立花先輩は、2年分時間を重ねているという雰囲気があった。
あたしの隣にいてくれた時の、かゆいところに手が届くような優しさなど、もう持っていなかったように思える。
.
最初のコメントを投稿しよう!